プリンタとは文字や画像を印刷する機器のことだ。「インクジェット式プリンタ」や「レーザー式プリンタ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。この「インクジェット式」と「レーザー式」というのは印刷方式の違いを表している。 インクジェット式が文字通り、印刷にインクを利用することは容易に想像できるだろう。同様にレーザー式プリンタも文字通り、「レーザーを使って印刷する方式」というイメージを持つはずだ。もちろんこれも意味的には正しい。 しかし、インクジェット式が人に代わって筆と絵の具を使って文字や絵を描いてくれるわけでなく、レーザー式プリンタがレーザー光線を用紙に照射して印刷を行っているわけではないのだ。 インクジェット式で印刷する仕組みは、エアブラシによるグラフィック描画や塗装を思い浮かべればいい。エアブラシは、圧縮空気で塗料を噴き出して塗装や描画を行う。これと似たような仕組みを凝縮し、印刷機構として搭載したのがインクジェット式と思えばいいだろう。印刷機能では、シアン/マゼンタ/イエロー/ブラックの各色インクを混ぜ合わせることで、フルカラー印刷が可能になっている。さらに、特別に用意した色(フォトシアン、フォトマゼンタ、レッド、グリーン、グレー、マットブラックなど)を加えることで、最大10色構成などの多色印刷を行う製品も登場してきている 次に、インクジェット式のメリットとデメリットを理解しておきたい。理解すれば製品比較時のポイントや妥協点を見つけやすくなるだろう。 メリットは主に3点ある。まず何といっても多彩な色味の再現など、高品質なフォト印刷が行える点。逆に品質を追求する背景があるからこそ、最大10色構成などの多色印刷機が登場したのだ。専用の写真紙を使えば、さらに鮮やかなフォト印刷が可能になる。 2点目は、本体価格やランニングコストが、レーザー式より安価で済む点。本体価格でいえば、安価も珍しくない。ランニングコストでは、カラー印刷を標準でサポートしていながら、消費電力がレーザー式よりはるかに低消費電力で済むから、インクジェット式はエコなプリンタといえるだろう。 |