プリンター 豆知識 複合機のスキャナとスキャナ専用機のスキャン画質は? |
複合機のスキャナとスキャナ専用機のスキャン画質は?
一般的には、スキャナ専用機の方が有利だが、
画質が専用機に劣らない複合機モデルもある。
家にプリンタとスキャナがあるけど、複合機に買い替えて一気に処分したい。
でも複合機のスキャナって、なんだかスキャナ単体機に比べてスキャン画質が悪そう。
実際のところどうなの?
この辺は、メーカーによって少し事情が異なりそうだ。
スキャナの画質を大きく左右するのはイメージセンサーの方式で、
CISとCCDというふたつの方式がある。
CISは安価で小型化が可能だが、厚みがあるものが読み取りにくい。
一方でCCDはCISより画質は上だが、読み取り機構が大きくなってしまうという面もある。
キヤノンの複合機では、ハイエンド機の「MP990」はセンサーにCCDを採用しており、
さらにフィルムスキャンにも対応している。
入力解像度は4800×9600dpi、カラー階調は最大で入出力48bitと、
同社のフラットベッドスキャナのハイエンド機「CanoScan 8800F」とスペックでは同じだ。
キヤノンも「今では複合機にも、それなりにいいスキャナが搭載されている。
単機能スキャナーを持っていなくても、きれいな画質で取り込めないわけではない」
という見方をしている。
ただ、機能面ではまだまだスキャナ単体機に軍配が上がる。
MP990で35mmフィルムで取り込むときには一度にスリーブ6コマしか取り込めないが、
8800Fなら12コマまで対応できる。スキャナーの機種によっては、スキャン速度が早かったり、
「FARE」というゴミや傷を自動で除去する機能も持っている。
その辺に目をつぶって、たまにフィルムスキャンするという使い方であれば
MP990でも十分スキャナの代役を果たしてくれるだろう。
文書を取り込むのが主なら、CIS採用のミドルレンジ以下でも目的を果たせる。
一方、エプソンの複合機はセンサー方式がすべてCISで、
フラットベッドスキャナはどれもCCDのため、スキャナ単体機のほうが画質が有利だ。
実はエプソンは2007年に発売した「PM-T960」まで、センサーにCCDを採用していた。
これを廃して2008年よりCISを採用してきた背景には、
「スキャナを使う頻度がコピーよりも少なくなってきた。
一方でより本体を薄く、コンパクトにして、
いろいろなところに置きたいというニーズがあったのでそちらを優先した」
という事情があったようだ。
また、「CCDを採用すればフィルムスキャンに対応できるけど、近年はデジカメが普及して、
複合機が出てきた当時よりもフィルムスキャンの要望も減っている」
という状況もCIS化を後押しした。
ただエプソンいわく、最新の複合機でも
「他社さんのCIS採用スキャナー単体機と同じレベルの画質を実現している」という。
ということで、センサーの方式や自分の用途と照らし合わせて、
手持ちのスキャナ単体機を残すかどうかを考えてみるべきだろう。 |